統計的検定操作

検定コマンドは、入力データを分析して特定の仮説の妥当性を検証します。一般的な検定では、ある数値（検定統計量）を計算し、通常、その値を臨界値と比較して、検定仮説（H₀）を受け入れるか、あるいは棄却するかを決定します。ほとんどの検定では、指定された有意水準 α（デフォルト値 0.05 または /ALPH フラグで指定）に対する臨界値を計算します。一部の検定では P 値を計算し、これを直接目的の有意水準と比較できます。

臨界値は従来、様々な有意水準と分布の尾部についてテーブルで公表されてきました。これらは統計的検定を実装する上で、最も困難な技術的側面です。臨界値は通常、適切な分布関数の累積分布関数の逆関数から得られます。つまり、次の式を解くことによって得られます。

ここでアルファは有意水準です。一部の分布（例えばフリードマン分布）では、CDF（累積分布関数）の計算が非常に計算負荷が高いため、パラメーターが非常に大きい場合には計算が非現実的となります。幸いなことに、パラメーターが大きくなる場合、通常は適切な近似解を見つけることができます。可能な限り、Igor Pro の検定は正確な臨界値と一般的な関連する近似値の両方を提供します。

臨界値と公表された表値の比較は時に興味深いものです。というのも、CDF が有限個の離散値（階段状）を取る場合の臨界値決定基準は標準化されていないように見えるからです。この場合、CDF は垂直遷移で (1-α) の値を取る可能性が高いため、垂直遷移の x 値を臨界値として使うか、あるいは次の垂直遷移の x 値を使うことができます。一部のテーブルは「保守的」なアプローチを反映し、次の遷移の x 値を出力します。

統計的検定操作は、結果の一部を履歴ウィンドウに出力し、現在のデータフォルダー内のウェーブに保存することができます。結果のウェーブには、操作に関連付けられた固定名が付いています。ウェーブ内の要素は、次元ラベルによって指定されます。/T フラグを使うと、次元ラベル付きのテーブルで操作の結果を表示することができます。このフラグの引数は、テーブルを終了するときの動作を決定します。全ての検定操作において /Q フラグを使うと履歴ウィンドウへの情報出力を制限でき、/Z フラグを使うと V_Flag 変数を -1 に設定した場合を除き、操作がエラーを報告しないようにできます。

統計的検定操作には、通常、指定された検定のいくつかのバリエーションが含まれます。適切なフラグを指定することで、通常、１つ以上のバリエーションを実行するように選択できます。以下のテーブルは、特定の検定名に関連付けられた操作を特定するためのガイドとして使用できます。

統計的検定